アイヌのお料理会
「皆さん、イランカラプテ!」元気な挨拶から始まる樺太アイヌのお料理会。
COCOスペースではこの日、7回目になるイベントで、2022年10月30日に開催されました。
講師は樺太アイヌにルーツを持つ楢木貴美子さん。現代にもマッチした味付けと、明るく優しい人柄が好評です。
会が始まる朝の10時過ぎ、手際よく食材が調理されていきます。鮭を一匹裁く腕前は見事です。また、野草など見たこととのない食材ばかりで、あちらこちらで質問が飛びます。楢木さんの説明で、食材が薬の役割を担っているものが多いと分かります。
ノートが真っ黒になるほど書いている人もいます。参加者は大学で研究をしている専門の人や、外国の方もいます。一回目の会では、札幌大学のウレシパクラブの学生さんが多数参加してくれました。その時にはアイヌ文化研究者の本田優子先生も来てくれました。最近は、漫画で人気になったゴールデンカムイの影響で若い人にも人気があります。アイヌ刺繍会も行いましたが、学生さんの参加者が多かったです。
楢木さんの楽しいお話に笑いの絶えないお料理会
チカリペ。樺太アイヌ料理の混ぜ物。海の幸、山の幸を、ふんだんに使い、魚卵で味付け
ハマナスの実
ハマナスの実をご飯に混ぜ込む
ユク(鹿肉)入りオハウ(汁物)
まるごとのチェプ(鮭)を素早く手際よく卸す
鮭はほとんどは捨てるところがない
シケレペ(キハダの実)はアイヌ料理の重要なスパイス。ミカン科でかむとミカンの香りがするが苦味もある。
乾燥して保存されている食用植物
お茶は、クルマバソウやセタエント(ナギナタコウジュ)
氷頭も使う
ヤチブキ〔エゾノリュウキンカ〕のあえもの
クルミ。右側はホオノキの実
クルミと乾燥した和ハッカ
ベカンペ(菱の実)はデンプンが含まれる重要な食料でした。
ベカンペの外側はこんな形。くりぬいた中身が白い実の部分です。沼地に浮いています。
真ん中の赤いのがハスカップご飯。そこから時計周りに、チカリペ(混ぜ物)、エゾカンゾウの酢の物(ガラスの器)、ギョウジャニンニク入りご飯、ハマナスの実入りご飯
食事のあとは音楽。平取出身、あけみさん(中央)の歌。左はトンコリ奏者の今西さん。弾いているのは沖縄の三線で来ているのは楢木さんの作った樺太アイヌの着物。右はフィンランドの楽器、カンテレ奏者の佐藤さん。持っているのは小さなカンテレです。
あけみさんが来ているのは北海道アイヌの着物。楢木さんが持っているのはトンコリ。樺太アイヌの楽器です。
樺太アイヌの口琴は金属製。
カーニムックンといいます。
楢木さんの樺太アイヌ刺繍を披露するCOCOスペースの今野
北海道アイヌのものは竹製のムックリ
楢木さんは北海道アイヌ伝統工芸展に入賞した優秀工芸師でもあります。
楽しいお料理会をありがとうございました!またよろしくお願いいたします。